お題:孫の前でおじいちゃんがパイプをくわえている絵本が販売中止となった問題で考えます。映画、ドラマ、アニメ、マンガ、そして今回の絵本など、子供向けの作品から、喫煙シーンは排除すべきと思いますか?
以下、投稿内容。
ニュースサイトによると、絵本に描かれている喫煙の図柄を問題視されたのは、大阪市の特定非営利活動法人『「子どもに無煙環境を」推進協議会』野上浩志事務局長であり、氏は「子供が受動喫煙にさらされている。表現の自由は理解できるが、自由にも配慮が必要。子供をたばこの害から遠ざけるのは大人の責任。物語上、パイプは必要なく、販売中止は当然の判断」と話されている。
2/22のテーマ(タクシーの格付け制度の導入の是非)と同様に、問題の所存の検討と解決策の因果関係の検討の両方が不適切なので、絵本の販売中止という誤った結論になっている。
子供の受動喫煙の原因は大人の喫煙行動であり、子供の受動喫煙を減らしたりなくしたりするためには、喫煙している者が子供に近づけないようにすることや喫煙させないようにすることである。
逆に言うと何百ページにわたり喫煙シーンや喫煙具(以下、喫煙具)が描かれた本や漫画、動画等を子供が見ようが、周囲に喫煙者がいなければ受動喫煙は起こりえない。
これほど明確な問題の所在と因果関係であっても、野上氏はそれらを無視して全く効果の少ない対策の実施を当然の判断として考えておられる。まさにそのような人こそが、社会にとって”煙たい存在”である。
追加として、以下を考える。
子供に絵本上でどれほど喫煙具を見ないようにしても、日常的に喫煙具は目につく。コンビニ然り、自動販売機然り。それらや子供の目につく場所全ての喫煙具を日本全国から削除したのであれば、絵本という文化的な対象物からも喫煙具の絵を取り除くのも検討に値するかもしれない。しかし現状では、そのような圧倒的に多くの喫煙具を子供の目に触れさせないようにする前に、絵本という極々一部の対象のみに制限を加えるということは、ただの一業者”イジメ”でしかない。公平性という観点からもこの対策に問題がある。
そもそも受動喫煙促進のために、喫煙している者が子供に近づけないようにすることや喫煙させないようにすることというのは、言うは易く行なうは難しである。あくまでも想像だが短期間で簡単に実績を作るために、喫煙具が描かれている絵本の販売禁止を求めるという判断に野上氏はたどり着いたのかもしれない。仮にそうだとすると、この問題は全国のNPOの運営全体に悪影響を及ぼす教訓として失敗学のような形で記録しておかなければならないと強く思う。